薬膳うちごはん誕生のいきさつ(1)〜病気にならないための食〜

はじめまして。薬膳アドバイザー、中医薬膳師の名原和見と申します。本業はフリーランスのライター&エディター。加えて、制作物のディレクションなども行っています。そんな私がなぜ学校へ通って、薬膳をガッツリ学び、のちに【薬膳うちごはん】のセミナーや料理教室を行うことになったのか、今日はそこからお話していきたいと思います。

身体によい、確かな裏付けのあるものが欲しい!

仕事柄、締切前や校了日近くになると徹夜することも多く、どうしても不規則になりがち。もともと健康体な私も、年齢を重ねるにつれ、さすがにこのままではまずいんじゃないかと思うようになりました。そしていつしか、何か自分でケアできるもので、簡単に健康管理をできるものはないかしら? と考えるようになったのです。

考えてみれば、私たちの身体は食べたもので作られています。少し大袈裟だけれど、“食べることは生きること”だとも思っています。幸い料理は嫌いじゃないので、日々のうちごはんに身体によい確かな裏付けのあるプラスαがあったらなと、ぼんやり考えていました。

マクロビオテック、ローフード、粗食、ファスティング(断食)、甲田式健康法、玄米菜食…と、取材でいろんな知識を入手したものの、元来食いしん坊の私からすれば、どれも続きそうにありません。できれば薬やサプリメントなどを飲みたくない私は、どうしたものかと思っていたところ、取引先からある飲食店の取材依頼をいただきました。それが薬膳料理店だったのです。

飲食取材で出会った薬膳料理に目覚める

本場・中国の方が経営、調理をなさっていると聞いて、妙にワクワク。薬膳料理って、薬臭かったりするのかな? とドキドキしながら食べてみたら、あれれ、単純においしいではありませんか! 忘れもしない確かこの時に、私は初めて【冬虫夏草】を口にしたと記憶しています。また、この取材がきっかけで、私は中国人オーナー尹さんの人柄に触れ、すっかり仲良しになりました。多岐にわたる話をうかがいながら、コミュニケーションをとっていくうちに、だんだん薬膳料理に興味がわいてきたことは言うまでもありません。

なかでも印象的だったのは、尹さんの粥にまつわる体験談です。以前、開腹手術を余儀なくされた尹さんは、術後ずっと体調が悪く、なぜかげっぷが止まらなかったそう。ところが、医者に診せても、薬を飲んでも治らなかったのが、毎朝、中華粥を食べるようになって、2ヵ月経つごろにはピタリとげっぷは止まったんだとか。これを機に体力も徐々に回復していき、今では健康体そのものです。尹さんによれば、お粥を作る時に出る独特なとろみは“米油”といって、高麗人参にも勝る滋養があるんだそう。改めて薬膳料理のすごみを感じずにはいられませんでした。こうして私は、薬膳の世界に引き込まれていったのです。

身体にいいプラスαこそが、薬膳の叡智であると確信

もしかすると、薬膳って…自分の体調に合わせて的確な食材さえ選べば、毎日のうちごはんで体調管理できたりするのでは? そんな風に考え出した私は、もういてもたってもいられません。なぜなら、ずっと探していた身体によいプラスαの確かな裏付けこそが薬膳なのだと確信したからです。

とはいえ、私が通おうとしている【東方薬膳学院】の学費は、決して安いものではなく、習いもの感覚で気軽に行ける金額ではありません。ふと“どんなこと教えているのかしら?”と思い、どうしてもリアルな現場を知りたくなってしまいました。ちょうど企画が合う雑誌があったので、今度は東方薬膳学院に取材へ。以前、漢方医の取材をしていたことがあり、少しだけ中医学の知識があった私は、正直、学院のレベルの高さに驚きました。<写真は当時、取材した雑誌です>。これならまちがいない! 学費は渡航して現地で学ぶことを考えたら安いものです。私は迷わず「尹さん、東方薬膳学院に入学する!」と宣言して薬膳を学ぶことになりました。薬膳うちごはん誕生のいきさつ(2)に続きます。

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