黒ごま・白ごま(稀少価値の高い抗酸化食材)と、フレンチのおいしいコラボ

昔から私は大のごま好き。スーパーや専門店に売ってあるごまを、片っ端から食べ比べしたこともあります。そんな話をたまたま友人である編集者と話していたら、こんな素敵な会につないでくださいました。

ごまメーカーとフレンチの名店がタッグを組んだおいしいコラボ


それというのも佐賀のごまメーカー【まんてん】と、佐賀・唐津から2015年12月に福岡・高宮に移転オープンなさったフレンチの名店【セゾンドール】がコラボした食事会でした。参加者は主にテレビやラジオ、新聞、雑誌といったメディア関係者が大半を占める中、北九州の野菜屋さんの姿もありました。お料理は全部で9品。そのほとんどが、こんなごま料理ってあり? と唸ってしまうほどの素晴らしさ。だいたい私はおいしい! と思った味は舌で覚えて、うちごはんで再現してみるのですが、今回のお料理はどれも素人がすぐにマネできるようなものではありませんでした。






 

【まんてん】が再現した稀少な国産ごま『鍋島小紋のごま』

まんてんからいただいた資料によれば、驚くことに私たちが普段食べているごまのほとんどは国内産ではないそうです。全体の99.9%がアフリカや中南米から輸入されたごまで、自給率はなんと0.1%。哀しいかな、ほとんどないに等しい数字です。ちなみに国内の生産は鹿児島県・喜界島がほとんどなんだとか。歴史を紐解くと、このアフリカ産のごまは稲作が始まった時期とほぼ同じで、縄文時代に日本に伝わったといわれています。奈良時代から食されていたという記録もありますが、江戸時代にはれっきとした食文化として確立したようです。



話はちょっと逸れますが、鍋島藩の武士の正装である裃(かみしも)の図柄「鍋島小紋」のモチーフをご存知ですか? これは佐賀地ごまのサヤの断面図を図案化したものだそう。そこで、まんてんは歴史の中に埋もれかけていた佐賀鍋島藩ゆかりの「鍋島小紋」のごまを再現しようと、当時のごまの種子が残っていないかと農家さんを一軒一軒訪ねたそうです。これはちょっとしたドラマですね。聞いていてワクワクしました。そこでやっと出合えた一粒のごまの種子。これをもとに、NPOや20軒ほどの地元の農家さんが協力してくれて、2013年、鍋島小紋のごまの栽培に挑んだそうです。


畝(うね)たて→種まき→発芽&間引き→草取り、害虫駆除→開花→研修会→葉かき&摘芯(てきしん)→収穫→乾燥・脱粒という工程を経て、初年度は約30kgの収穫ができたそうです。特に草取りや害虫駆除は、完全無農薬栽培のため一つひとつ手作業になります。それはそれは気が遠くなるような大変な作業だったに違いありません。以来、栽培を続けて現在、鍋島小紋のごまは、佐賀県地域資源にも認定された純佐賀県産のごまとして商品化されています。私も使わせていただいて感じたのですが、風味が濃厚。それでいてコクのある、大変上質なものでした。こんなごまを使いだしたら、もうランク落とせないよなぁ〜といった感じです。上のセゾンドールとのコラボメニューも、まさにこの佐賀鍋島藩ゆかりの「鍋島小紋」のごまを使ったものらしく、おそらくシェフもいつも以上に腕が鳴ったことでしょう。

ごまは薬膳的に見ても最高の抗酸化食材♪

ごまを薬膳的にみると、黒ごまと白ごまでは以下のように若干、内容が異なっています。

黒ごま
体質:陰虚、血虚  五性:平 五味:甘 帰経:肝、腎、大腸
白ごま
体質:陰虚、血虚  五性:寒 五味:甘 帰経:肺、脾、大腸

黒ごまは肝と腎の機能を補ってくれますし、黒ごまのアントシアニンの中にはポリフェノールが含まれているので、抗酸化作用があるといわれています。よって、若さを維持したい人にはピッタリの食材です。一方、白ごまは黒ごまよりは油分が多く、身体の熱をとり、うるおいのある美肌へ導いてくれるうれしい食材。ともにごま特有のセサミンが入っていますし、牛乳の12倍とも言われるカルシウムもたっぷりなので、最高の抗酸化食材といえるでしょう。ただし、ダイエットには油分の少ない黒ごまがおすすめです。

参考資料:『ごまのチカラ』(まんてん)、『薬膳・漢方食材&食べ合わせ手帖』(西東社)

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