「おおいた和牛」の美味しさの秘密を知る秋旅へ

去る11月22日、大分県福岡事務所主催のプレスツアー「おおいたの美味しさの秘密を知る秋旅」に参加してきました。プレスツアーなだけあって、参加者はすべてメディア人。新聞社、雑誌社など各社が勢揃い。最近参加していて思うのでは、以前は知り合いが多かったのに、知らない人が増えた感。だんだん世代替わりしているんだなぁと、実感せずにはいられません。


バスの中では各種資料とともに、県産ならではの「つぶらなカボス」と「とり天かぼす棒」が配られました。情報拡散のため、SNSに投稿したところ、「つぶらなカボス」ジュースは人気なんですね。大分はもろちんのこと、熊本在住の友人らにも大人気だったのには正直びっくりしました。なかなかの認知度、恐れ入りました。飲んでみたらかぼすの爽やかな香りとともに、なつみかんのつぶつぶが口の中に入ってきて、まさに食べるジュース。これなら老若男女、みんな大好き。人気なのも頷けます。

大分は言わずと知れたかぼすの産地。昨年は大分県福岡事務所の方にたくさんかぼすをいただいたので、かぼす胡椒を手作りしました。とてもおいしくできあがって、薬膳うちごはんのレッスンでも大好評。ゆず胡椒よりも、かぼす胡椒が爽やかで食べやすいという声もあったほどで…その時の記事はこちら(※)。ご興味のある方は読んでみてください。

いま話題の「おおいた和牛」
畜産農場の視察へ

さて、今回のプレスツアーは“おおいたの美味しさの秘密を知る秋旅へ”というタイトルですが、一番の目的は何を隠そう「おおいた和牛」。これまで大分のブランド牛といえば「豊後牛」があまりにも有名で、人気温泉地・由布院の温泉宿などを取材すると、どこもこぞって豊後牛を出していたものです。ここへきて、なぜ「おおいた和牛」?  昨年、長崎和牛を取材した時にも思いましたが、県単位でのブランド化ってどういう意図があるのだろう? そもそも「おおいた和牛」って何?  いろんな疑問がわいてきました。

いただいた資料によると、「おおいた和牛」は豊後牛が誕生してちょうど100年を機にできた新しいブランド牛(2018年9月)。しかも、豊後牛の上位等級、つまりA4、A5等級の肉のみをチョイスしたこだわりの大分県産和牛なんだとか。そこで私たちは、「おおいた和牛」の生産牧場である畜産農家の浦田牧場さんへ視察にうかがったのです。



広大な敷地に約70頭の和牛。驚くほどに牛舎独特の臭いもなくキレイ。同牧場を経営なさっている浦田忠治さんによれば、アンモニア臭が出てくると肉が黒くなったりするので、床に敷いたのこくずは2〜3週間に一度は入れ替えているんだそう。

餌にもこだわりがあって、ビール粕を加えているのが特徴。ビール粕には乳酸菌が含まれているので、腸内環境をよくしてあげることで、肉質は柔らかくなり甘みが生まれるとのこと。また、長年の経験からビール酵母に穀物を83%入れているそうですが、これは通常より13%も多いとか。素人にはよく分かりませんが、おそらく牛を知り尽くしたプロならではの配合なのでしょう。そのせいか、牛たちはモリモリ食欲旺盛。「だけど、あまり餌をあげすぎないのもポイント」だそう。人間と同じ、腹八分目が牛を元気に育てるコツなのかもしれません。



牛舎には出産間近の牛や、生まれて1週間経って母牛から離されたばかりのかわいい子牛の姿も。なにげに天井を見上げれば監視カメラ。これはナント、出産間際の母牛を監視するために設置しているのだそう。驚くことに牛の子宮にセンサーを入れて24時間監視。破水した時に情報がスタッフの携帯電話に飛んでくるという画期的なシステム。

「通常は38度の体温の牛は、出産前は37度になるんです。その後、だいたい24時間以内には生まれてきますが、なかには3〜4時間で出産する牛も。四六時中、付きっきりでいることはできませんので、カメラとセンサーでチェックしているんです。カメラは360度写せますので、子宮口から足が出てきたあたりで駆けつければ問題ありません」と浦田さん。

なるほど! これまで但馬牛や隠岐牛のほか、九州各県の牧場を取材してきましたが、こんな風にテクノロジーを取り入れているところははじめて! 時代も変わったのだと思っていたら、この広大な牧場を従業員5人で管理していると聞いて納得。いまはどこの業界でも人手不足と言われていますので、このように上手にテクノロジーを駆使するのもアリなのだと思い知らされました。

一頭一頭に名前を付けているのも、浦田牧場さんならではです。オスは漢字、メスはひらがな。メスの名前の横の数字は出産回数で、ひさみの2は、2回目の出産ということ。と、ここまでを取材ノートにメモしていたのですが、となると、くすひめは87回? えぇ〜?  まさか! 牛って87回も出産するの?   さすがに無理だよなぁ。ここはすみません。ちょっと取材が甘かったです。反省。

気を取り直して、「もうすぐボクは食べられてしまうんだよー」と言わんばかりに私をじーと見つめる一頭の牛がいました。目が澄んでいて、なんだかうるうるしているような? 何度目をそらしても、その都度目が合ってだんだんつらくなってきました。この牛はまだ体重が700キログラムちょっとなので、800キログラムになったら出荷なんですって。出荷はオスのみ。生後4ヵ月で去勢して、平均して生後29ヵ月で出荷してやがて精肉になります。こういった現場に出向くたびにしみじみ思います。私たちは命をいただき生かされているのだと。感謝しながら、味わって食べなければなりません。ちなみに「おおいた和牛」は品質もよく、ある大会では1頭500万円の高値がついたこともある高級牛だそうです。

ひと口は百聞に如かず!
「おおいた和牛」を堪能



ランチは、大分県畜産公社直営の「町田バーネット牧場」さんへ。ここではもちろん、「おおいた和牛」を堪能させていただきました。サシがキレイに入った見るからに美しいお肉は、モモ、カルビ、ロース、肩ロースの4種と玖珠町で採れた野菜。お肉は特製タレでいただきます。

どちらかと言えば、サシがあまりに入っているお肉は少々つらいお年頃ですが、このサシは適度な甘みがあって全然もたれません。モモなんて、口の中に入れて瞬間とろけたほどの柔らかさ。部位それぞれにおいしかったのですが、この4種の中で一番私の好みだったのは肩ロースでした^^

余談ですが、特製タレもとってもおいしかったのですが、タレがずっと同じだと途中からちょっと飽きてきた感も否めません。せっかくならば、大分の名産のかぼすを絞ったり、かぼす胡椒とかでも食べたかったなぁと思いました。もっと大分県の特産品を複合的にご紹介してもいいのでは? と思ってしまいました。


道の駅の館内ではお肉売場も。保冷バッグ持参していたら、買って帰ったのに…。大分県畜産公社直営なだけあって、若干割安のように感じました^_^ 気になる方はぜひ保冷バッグやクーラーボックス持参で!

しぼりたての新鮮なミルクジェラートは、
忘れられない極上の味!




「おおいた和牛」を堪能した後は、酪農家・岡崎牧場のミルクランドファームさんへ。バスを降りるや否や、ブルブルっと身震い。極寒。それもそのはずで、ここは標高800メートル。この寒さの中、ジェラートって…。あまり気乗りしなかったのも事実ですが、ひとくち口にしてビックリ。「なんだ? この自然なおいしさは!」。

取材等でいろんなジェラートを食べてきましたが、このジェラートは私の中でダントツナンバー1。お世辞でもなんでもなく、率直な感想です。聞けば、高原で育った牛のしぼりたての新鮮なミルクで作っているのだそう。口コミで徐々に広がり、今では季節を問わず、来客が途絶えないというのも納得です。今日はそのまんまミルクとブルーベリーをいただきましたが、抹茶やコーヒー、レーズンといった定番ものや季節ものなど10種類前後。全部制覇したい。そのくらい気に入ってしまいました。

気になった乳牛は、ホルスタインとのこと。和牛の乳の量では商売にならないそうで、さすがはホルスタイン。“乳牛の女王”も言われているだけあります。当牧場の乳牛は広大な高原でストレスなくのびのびと育てられているので、ミルクのおいしさもひとしお。軽くて、あと口爽やか。今度はぜひ寒くない時期に食べてみたいものです。 今回はいま話題をさらっている「おおいた和牛」や、知る人ぞ知るしぼりたての新鮮ジェラートのご紹介でしたが、これら以外にも、大分にはまだまだ知らないおいしいものがたくさんあります。ぜひチェックしてみてください♪

<取材協力>
大分県福岡事務所さん
https://www.pref.oita.jp/

Amazing Public Relations さん
https://www.amazing-apr.com/

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