薬膳うちごはん

スーパーフード・カカオニブの魅力!

前回の記事にも書いた通り、先日私はカカオ豆から作る手作りチョコレートのWSに参加したわけですが、ここで出会ったのがカカオニブ。「カカオニブって、いわゆるスーパーフードのひとつでしょ?」ぐらいの認識しかなかった浅はかな私だったのですが、チョコレートの専門家・佐藤清隆先生の話をうかがったらイヤイヤおもしろい。思わず夢中になってしまい、メモ魔になりながら真剣に聞き入っていました。下記は私の心の声です(笑)。

「カカオニブってカカオ豆を割って、こうして出てくるのね」
「へぇ〜深み、酸味、苦味…、産地によって、こんなに味が違うんだ」
「産地によって、稀少価値がそんなに違の? 知らなかった!」

という物理的な話から、

「えぇ〜栄養素ってそんなにも?」
「チョコレートとココアも元は同じカカオニブから作るのね」
「カカオニブは、チョコレート以外にも創作料理で使えるんじゃないかい?」

と、栄養素の話から使用方法まで。とっても刺激になりましたし、大変勉強になりました。そこで今回はWSの備忘録的要素に加え、また新たに調べ上げたことなども含めて一記事にまとめてみようと思ったのです。

産地によって、色や形、大きさも異なるカカオニブ

WSでは紙の上にそれぞれ色や形、大きさの違うカカオ豆が書く個ずつおいてありました。聞けば、上から時計回りにガーナ産、メキシコ産、フィリピン産。こうして見ると、色、形、大きさそれぞれ違います。豆の種類はガーナ産がフォラストロ種、メキシコ産はクリオロ種、フィリピン産はトリニタリオ種です。

佐藤先生によれば、チョコレートを作る際の【カカオニブのチェックポイント】は大きく3つ。
・苦味
・酸味
・香り(深いか浅いか)

全て味見しましたが、おもしろい具合にそれぞれの豆は全てにおいて異なっていました。同じカカオ豆なのに、産地によってこんなに違うとは! 大いに興味深いところです。ちなみにガーナ産は一般的で比較的安価。世の中のチョコレートにガーナ産が多いことからも素直にうなずけます。意外とカカオ豆の形状がでっかいのはフィリピン産です。これは以前、マニラで開催された世界の美食の祭典でカカオ豆を見てきました。下の写真のバックに写っている白いものがソレ(カカオ豆)です。

その一方で、稀少価値があるのはメキシコ産。なかでも今回味見をさせてもらったクリオロ種は、世界最高品質の貴重な豆なんだそう。めったに出回らないとのことで、国内では唯一、東京・丸の内のCACAO SAMPAKAにあるそうですが、めっちゃ高価だそうです。

これらの豆というのは前回の記事でも説明したように、この段階の豆は採集した後、発酵させて乾燥させたものです。ちなみに、発酵ってどんな風にするのだろう? と疑問に思った私は、ちょうどうちの本棚にあった『発酵の技法 世界の発酵食品と発酵文化の探求 (Make:Japan Books) [ サンダー・エリックス・キャッツ ]』を開いてみました。



そこにはこう書かれています。「カカオの発酵は2日以上、あるいは10日かかる場合があり(山では一日に2回天地返しをする)、その後、水洗いしてきれいにしているとのこと。発酵はパルプ質の豆がどれだけきつく詰まっているかに決まるようで、通気性のよい豆は酵母や酢酸菌による発酵になるが、きつく詰まった豆になると乳酸発酵になる」。

豆のつまり具合なんて、割ってみなければ分からないのに、すごい賭けみたいなものなのかもしれません。また、読み進めるとまた興味深いことが書いてありました。
「チョコレートの前駆体は、種子が死んだ直後に形成される。種子の死は、微生物発酵によって産生される酸とアルコール、そして熱によって引き起こされる。種子の中の胚乳が適切に縮んだ際に完成する」と。なるほど!!   少々小難しくなってきたので、話を元に戻しましょう。
(※書籍から引用した文章はリライトして簡略化させています)

ビタミンC以外は全部入っているスーパーフード・カカオニブ

「カカオニブの栄養素はビタミンC以外は、ビタミンもミネラルも全部入っています」と佐藤先生。ポリフェノールや苦味成分のアルカロイドが入っていることは誰もが知るところですが、聞くところによればたんぱく質も炭水化物も脂質も、ミネラルもビタミンも食物繊維も、ビタミンC以外すべてが入っているそう。こんな食物ってほかにあるでしょうか?  しばらく考えてみましたが、すぐには思い出せません。したがって、前回の記事にも書いたようにさまざまな健康効果も期待できるわけですね。まさに、カカオニブがスーパーフードとよばれるゆえんです。

ところでカカオニブ。稀少なメキシコ産は難しいにしても、どこで手に入るのだろうと思い、先生にお尋ねすると「最近は製菓材料店どこでもあります。そうそう、ネットでも買えますよ!」とのこと。「へぇ〜!」。意外と気軽に買えるもののようです。であれば、いろいろ使ってみるのもアリです。深いコクがあって苦味のあるカカオニブは、スイーツ以外にも、料理にもいろいろ使えるかもしれません! なんだかワクワクしてきました^^

なんと、ペルー産ですが、有機のカカオニブ(クリオロ種)を見つけましたよ♪

オーガニック・ローカカオニブ(クリオロ種)500g/ペルー産【スーパーフード・有機カカオニブ・ローフード】

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