薬膳うちごはん

フェイジョアーダで冬の食養生

フェイジョアーダはブラジル人のメジャーな国民食


2月の薬膳うちごはんレッスンのメイン料理は、ブラジル料理のフェイジョアーダ。ブラジル人なら誰もが知っている国民食で、簡単に説明すればお肉と黒豆の煮込み料理です。冬の食養生の薬膳料理に、なぜフェイジョアーダを持ってきたのか? それにはれっきとした理論があります。

ちょいとその前に、私がココに目をつけたきっかけがあります。それはちょうど2年前。出張先の東京で「四谷の荒木町で飲みたい!」といったのが、そもそものきっかけでした。飲む前にまずは腹ごしらえと、連れて行ってもらったのが、たまたまブラジル料理店なのでした。

食べてビックリ! これは黒豆料理の進化形だ

この店はかの有名なBOSSA NOVA歌手、小野リサさんのお父さまが経営するお店。BOSSA NOVAの生演奏を聴きながら、ブラジル料理が堪能できる名店です。ここでたまたま頼んだお料理がフェイジョアーダでした。見てびっくり! それは真っ黒なシチューみたいな代物でごはんにかけられていたのです。第一印象は、ぶっちゃけ全然よくありませんでした。ところが、一口食べてビックリ。何これ? めっちゃおいしい。正直、黒豆料理といえば、甘いものと勝手にカテゴライズしていた私にとっては衝撃の味だったのです。

薬膳の理論に適う
下焦の虚証にもってこいの料理

フェイジョアーダに入っている食材を注意深く観察すると、これって、冬の食養生の薬膳料理にぴったりじゃん! 最初の出会いから気がついてしまった私は、いつか冬の食養生でこの料理を作りたいと2年前から考えていたのです。

その理由はこうです。ちょっと専門的になりそうですが、、、

冬を陰陽五行説から紐解いていくと、「腎」強化の季節。腎はとりわけ「寒さ」に弱いことから、「下焦の虚証」、つまり足腰の冷えや腰痛に悩む人も多い季節なわけです。おそらく心あたりがある人も多いのではないかと思います。続いて、下焦の虚証のためのレシピを考える場合、主に下焦の虚を補う、水の偏りを直す、血を補うという3点から考えるのですが、フェイジョアーダは下焦の虚を補う「黒豆(平性)」、水の偏りを直す「タマネギ(温性)」、そして血を補う「豚肉(平性)」という構成でなりたつので、ぴったりだと思ったわけです。

さらにいえば、下焦の虚証の調理法は、“じっくり煮込み、少々塩をきかせたもの”が理想的なので、これも◎。とりわけ塩味には、発酵食品を加えたかったので自家製の新タマネギ塩麹を投入しました。通常、私は洋風の料理にはトマト塩麹を使うことが多いのですが、トマトは寒性で身体を冷やします。一方、タマネギは温性なので身体を温めるので◎。先ほど説明したように、冬の腎は寒に弱いので五性でいうところの寒性、涼性はできる限りさけたいところ。よって、新タマネギ塩麹で塩味にプラス発酵パワーを加えました。さらに、冷え性に悩んでいる人にも、身体を温めるニンニクが入っているのでいいのかもしれません。

まさかブラジルの国民食フェイジョアーダが薬膳料理になるなんて! 薬膳のベースである陰陽五行と、季節の食養生、食材それぞれの特性を理解していると、世界のいろんな料理もその時々の季節に合った薬膳料理として解釈できます。だから、薬膳はおもしろいのだと思います。もちろん、レッスン時はフェイジョアーダだけではなく、ほかのお料理全7〜8品で構成する予定です。週末のレッスン、どうぞお楽しみに!

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