免疫力アップが期待できる、“冬虫夏草”で滋養を摂る

年甲斐もなく前日徹夜をしたこともあり、少々疲れぎみ。こんな時の薬膳うちごはんに、私はよく冬虫夏草を登場させます。冬虫夏草といえば、中国では朝鮮人参、鹿茸とならび「中薬三大宝」のひとつとして知られるもので、日本でも漢方薬に使われています。

名前もユニークだが、生態系も奇妙な冬虫夏草

冬虫夏草と書いて、とうちゅうかそう、と読みます。冬の虫の夏の草? なんじゃらほい? と頭を傾げた方も多いと思いますが、私もその一人で、とっても不思議に思い調べてみて、さらに驚かされました。

というのも、冬虫夏草は昆虫と菌種の結合体(※1)。つまり、昆虫の幼虫の身体に寄生して育つキノコだったのです。名前の由来はその奇妙な生態系からのようで、冬は土の中にいる虫の幼虫に寄生して栄養分を吸い取りスクスクと成長。そして、夏になればこれがムクムクと発芽して、棒状にキノコが地に生えてくるのだとか。想像してみると、なかなかグロテスク。それと同時に、人間って昔からいろんなものを食べていたのね〜とつくづく感心してしまいました。
(※1)コウモリガ科の幼虫にバッカクキン科フコムシナツクサタケが寄生したもの

冬虫夏草は徹夜明けの薬膳うちごはんに最適


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も書いたように、私が初めて冬虫夏草を口にしたのは、薬膳料理店の取材時。外見は色鮮やかなオレンジ色の棒状の物体です。気になるニオイも特別な味も一切なく、口にするとコリコリ&ツルンとした食感で細めのキノコそのもの。決して嫌いじゃない感じでした。むしろ好き。しかも、肺をきれいにしたり免疫を高める薬効もあるわけですから、徹夜明けの薬膳うちごはんにぴったりです。主に私は写真のようにサラダにトッピングしたり、スープの中に入れるなどして滋養を摂っています。

※ここで紹介している冬虫夏草は医薬品ではなく、あくまでも食品であるため、具体的な効果効能を書くと薬事法に触れてしまいますのでご了承ください。参考までに薬膳料理を作る時に開く手引書「食物性味表」に記載されていたことを抜粋しておきます。

【冬虫夏草とは…】中医薬の中でも補陽薬に分類され、性味は甘/湿、帰経は肺腎、効能は益腎補肺、止血化痰。参考資料:日本中医食養学会編著の『現代の食卓に生かす「食物性味表」』

市場に出回らなかった冬虫夏草が、世界中で一躍有名になったワケ!

もともと冬虫夏草は古来から宮廷を中心に珍重されてきたもので、当然のことながらなかなか市場に出回ることはありませんでした。一説によれば、冬虫夏草は世界に400種類以上のものが生息しているといわれていて、最も良質なのがチベット高原産。この冬虫夏草は、中国でも一般の人には手が届かないほどの高額で取引されているんだそうです。

そんな冬虫夏草がなぜにこうも、世界中から注目されるようになったのでしょう。その理由がまた興味深い。1993年にドイツで開催された「世界陸上選手権大会」で、金、銀、銅のメダルを独占した中国人選手が、冬虫夏草入りドリンクを飲んでいたことから一躍有名になったそう。おそらく「冬虫夏草ドリンクを飲めば、きっといい結果が残せるに違いない!」とでも思ったのでしょう。以後、多くのアスリートの間で愛用されるようになったといわれています。

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