漬けるだけで魔法をかけたみたいにおいしくなる。自家製酒粕味噌の床作り!

今年はなぜか酒粕の貰い年。麹からの甘酒は好きなのに、酒粕で作る甘酒はなぜか昔から得意ではなく。正直、いただいた時にはどうして使おうかしら? と思ったものの、大切な友人が私のために買ってきてくださったものですもの。無駄にするにはいきません。そこで、ふっとひらめいたのです。ここ5、6年、ずっとぬか床を育てているからかもしれませんが、「そうだ! 床を作ればいいのだ」と!

早速、酒粕を一袋ボウルに出して、味噌を少々。100グラムいかない感じ。80グラムぐらいだったかな? の麦味噌を入れました。この麦味噌も手作りでいただきものです。九州の麦味噌は金沢生まれの私からすれば、味噌汁にするとちょいと甘すぎるので、ちょうどいいかなぁと。

酒粕と味噌だけではよく馴染ます、水分がほしいと思い、ここで熊本の赤酒を投入。我が家では酒やみりんは使わず赤酒を使うので。大さじ2,3杯ぐらいでしょうか? ごめんなさい。全部、目分量でやってしまうので、テキトーです。

この赤酒はプロの料理人も使っているもので、特に煮物に使うと照りが違います。なんと私が通っていた中学(熊本)の校区内に工場がありまして、この製造途中に香ってくるプーンとした甘い匂い=中学時代というなんともご縁のある調味料です。ちなみに、熊本のお屠蘇はすべて赤酒。地元ではとってもメジャーなお酒であります。熊本県には赤酒を造っているメーカーが2社あるのですが、断然「東肥」の赤酒がおすすめ。なんというか質が違います。赤酒の歴史を紐解くと、豊臣秀吉や加藤清正の時代まで遡ることになり長くなりそうなので、この話はまたの機会に!

手でコネコネ混ぜ込みます。

このくらいまで馴染んだらできあがり。ガラスの容器に入れて、食材を漬け込みます。

この中に魚を漬け込んでも、肉を漬け込んでも、野菜を漬け込んでも、「なぜこんなにおいしくなるの?」「まるで魔法の床か?」と思うぐらいに、絶品の料理に仕上がります。薬膳レッスンに参加なさった生徒さんもみんな「うまーーー!」と唸っておりました。

では、なぜ酒粕味噌に漬けたら食材が魔法をかけたみたいにおいしくなるのでしょうか? 調べてみると、酒粕には糖質やタンパク質、食物繊維がたっぷり。そのうえ、微生物が発酵する過程で生まれる、さまざまなアミノ酸やペプチド、ビタミン、アルコールなどの機能性成分が含まれていました。全然、“かす”なんかではありません。なかでも特筆すべき成分はレジスタントプロテインと呼ばれるたんぱく質で、それは体内の消化酵素で分解されにくいものなのですが、食物繊維と似た働きをしてくれるそう。つまり、レジスタントプロテインは小腸を通りながら、コレステロールなどの脂質を強力に抱き込んで体外に排泄してくれるというもの。もっと具体的にいえば、酒粕と一緒に食べた脂質は吸収されにくくなるというわけです。当然、お通じもよくなるうえに、酒粕には血圧降下作用や肝臓機能保護作用、骨粗鬆症予防なども期待できるのでいいことづくめ。ただし、酒粕は100g227キロカロリーと意外と高エネルギーなので、食べ過ぎには注意といえます。

まぁ、細かいウンチクは置いておいても、漬け込んだ食材が単純によりおいしくなることは間違いありません。この酒粕味噌漬けを思いついたことで、私は酒粕ウェルカム人間になりました。酒蔵に取材に行ったら、自分でも買っちゃいそうな勢いです。

そうそう、使用した赤酒は【料理用】も出ているのですが、私は昔からある【本伝】の方が使いやすいです。慣れているからかもしれませんが、料理用だとちょっと物足りない。慣れからかもしれませんが。調べると料理用がエキス分とみりんの分量が同じで、本伝はエキス分が多いそう。前に取材させていただいた和食料理人も昔ながらのこちらの赤酒を使っておられました。

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