「madrid fusion manila 2017」の翌日は、念願叶って世界屈指のスパリゾート“THE FARM AT SAN BENITO”へ行けることになりました。
“心身ともにリセットしたい。癒された〜い!”という
願いに応えてくれる、憧れのスパリゾートへ
旅先でエステティックトリートメントやマッサージなどを受ける機会はあっても、心底リラックスできる至福の時はほんのひととき。旅から帰ればすぐ現実に戻って、時間に追われ、走り回り、時として夜通し仕事に没頭する日々。本人は好きでやっているので全く構わないのですが、たまには人間ですもの。“心身ともにリセットしたい。ゆっくり癒された〜い!”なんて、思ってしまうこともしばしば。そんな方、きっと多いんじゃないかと思います。
今回ご紹介する「THE FARM AT SAN BENITO」は、これらの願いに応えてくれる極上のスパリゾートで、簡単に説明すると施設内には医師や看護師が常勤し、血液を顕微鏡でみて健康状態をチェック。腸内洗浄といった本格デトックスもできれば、自然豊かな場所でヨガやチベット式エクササイズなどの各種アクティビティも充実。敷地内にはオーガニックガーデンもあり、そこで採れた新鮮野菜を使ったヴィーガン料理をいただいたり、熟練したセラピストによる各種トリートメントを堪能できたりと、まさにホリスティック・ヘルスの楽園そのもの。『VOGUE』や『ELLE』といった媒体でも紹介されている通り、ここは【スパ・アジア・クリスタル・アワード(スパ&ウェルネス業界におけるアジア最大級のコンテスト)】を3年連続で受賞を果たす本格派で、聞くところによれば30にも及ぶ名誉ある国際賞を受賞しているのだそう。建物内の一角には、その楯や賞状がたくさん飾ってありました。
私が最初にこういった施設に関心を抱いたのは、以前、ある美容雑誌の仕事でアーユルヴェーダを取材したときのこと。アーユルヴェーダの浄化療法、つまりパンチャカルマに興味を持ち、いつか海外の専用施設に出向き、長期間滞在して本格的にリセット(浄化)したいなぁ。日々の喧噪から逃れて自然の中に身をおき、心身ともに癒されたなら、どんなに身体は軽やかになるだろうと、想像してみたりしたものです。とはいえ、小心者の私は長期間仕事を休む勇気もなく、無情にも時間だけが流れていたところ、思わぬタイミングで「THE FARM AT SAN BENITO」に行けることになったのです。
ホリスティック・ヘルスの楽園
世界屈指のスパリゾート “THE FARM AT SAN BENITO”
この日は早朝にマニラ市内のホテルを出発。途中ちょっと寄り道しながら、車を走らせること約2時間。バタンガス州リパ市郊外のマララヤ山の麓に位置する、「THE FARM AT SAN BENITO」にたどり着きました。
ここは世界屈指のスパリゾートしても知られ、東京ドーム10個分、48ヘクタールという広大な敷地。聞けば、かつてはココナッツ・コーヒーの農園だったそうです。もともと生息していた熱帯植物など生かしながらも、そこは世界のVIP客を迎えている高級スパ。ウェルカムドリンクを堪能した後、主な施設をアテンドしていただいたのですが、どこもかしこもそれはそれはキレイに整備されていました。「人件費と管理費、いったいいくらかかってんだ? 」なんて一瞬でも思ったビジネス脳の自分がちょっと哀しかったりして…。要はそれだけ、どこもかしこも完璧だったということです。
上の写真のように、思わず見とれるほどの美しい自然豊かな場所では、ヨガなどのアクティビティが体験できるそう。残念ながら今回は時間が合わず参加できませんでしたが、こんな素敵な場所でヨガや瞑想なんてした日には、7つのチャクラが全部開いて一気に覚醒してしまいそうです。
途中、クジャクにも遭遇。どんなに機嫌をとっても、なかなか美しい羽を見せてはくれません。よくよく考えたら、クジャクが羽を広げる時って、求愛の時だけなんですよね〜(笑)。
現地スタッフさんのアテンドに従って歩を進めていくと、ジャブっと頭から浸かってしまいたいと思った、ナチュラルなプール(!?)を発見。水をすくいとってみると少々ひんやりとしていましたが、きっとここに浸かったら、日々のいろんなことがスッキリ解消してしまうのではないか? と思ったほど。敷地内は下記の写真を見ても分かるように、大きな大きな熱帯植物がうっそうと茂っている一方で、歩道はきちんと舗装され、この両側の芝生なども本当にキレイに整えられていました。
ランチはローフードメインのヴィーガンコース料理
ヴィーガンなのに満足度が高かった、その理由とは?
ズバリ、生野菜がとってもおいしかったことにあります。それもそのはずで、ここで調理されている野菜は、全部敷地内のオーガニックガーデンで栽培されているとのこと。私事ですが、毎月無農薬栽培の生産者さんからオーガニック野菜を送ってもらって食べている私の舌はいつも正直(^^;) ここのお野菜はいつも食べている野菜と同様にシャキシャキして、野菜本来の味が感じられて本当においしくいただきました。
・Coconut “Lakse Lemak” and Black Sticky Rice Cake with Eggplant “Caviar”
・Tropical Fruit Cassata
彩りや盛りつけもキレイですね。食材の組み合わせや調理法など、ものすごく研究されていることも伝わってきました。なぜなら、デザートまでいただいた後には、お腹いっぱいで満たされた気持ちに。動物性たんぱく質や卵、乳製品を一切使わずして、食べる人の満足感をいかに埋めるのか…これが意外とむずかしい。それは4月上旬の薬膳うちごはんのクッキングレッスンでも頭を悩ませた一番の課題だっただけに、ただただ脱帽。ましてや、ヴィーガンですからね。限られた食材でここまでのレベルまでもっていけるのって、ホントにすごいなぁ〜とひれ伏してしまいました。思いのほか腹持ちもよく、きっとBlack Sticky Rice Cakeがいい仕事したんだろうなと勝手に予想。この中で一番好みだったのは、Coconut “Lakse Lemak”だったのですが、再現するのはちょっとむずかしい。おそらく何かスパイスが入っているような味だったのですが、いい感じにココナッツに馴染んでいたので読み取れず。上品でとてもいい塩梅だったので、Lakseというお料理をちょっと掘り下げてみたくなりました(笑)。帰国してから知ったのは、オーナーのエカード・レンペ氏によれば「私たちが料理の85%をローフード(火を通さない生野菜や果物)で提供している理由は、それらのローフードに酵素が含まれているからです。酵素は体内のあらゆる働きを促す決定的な触媒であり、天然の生野菜や果物の中にバランスよく含まれています。しかしその酵素に42℃の熱が加わると破壊されてしまうのです」とのこと。そこでTHE FARM AT SAN BENITOでは、独自の乾燥法によって酵素を壊さずに調理しているのだそうです。どんな乾燥法なんだろう…。ものすごく気になるところです。
上の写真は敷地内にあるオーガニックガーデンのほんの一部。何が植わっているのか近寄ってみたらパクチー。ちょっとだけ拝借して口に含んでみたら、香草独特の香りがふわぁ〜口の中で広がりました。そうそう、食後のコーヒーも滋味深くって本当においしかった。あえて言わなくてもいいことですが、マニラ市内で宿泊していた某高級ホテルのコーヒーよりもおいしかったと断言できます。それはその昔、この場所がコーヒー農園だったからかしら? そう思うと、また夢とロマンが広がります。さて、まだまだ体験ルポは続きますが、長くなりそうなので次回に!